音楽に寄せて

松橋 郁子

先日、友香子先生が得意のアルトサックスで「You raise me up 」を演奏してくれました。いつもと違う先生の姿を「素敵だな」と思ったり、「自分も何か楽器を演奏してみたい」と考えた子どもたちも多かったのではないでしょうか。教育学者の齋藤孝氏は「先生の憧れが生徒の憧れを生む」と言っています。私も中学生の頃に美術の先生から画集を見ることを勧められました。おかげで、今では美術館巡りが趣味になり、楽しい人生だと思うことも多いです。これは親子関係でも同じ事で、野球の好きな親の子どもが野球選手になったり、料理好きのお母さんの子がシェフになったりと、そのような例はたくさんあることでしょう。友香子先生を通して、「音楽っていいな!」と思ってくれたならうれしいですね。私たち大人が自分の得意なことをどんどん示すことは、子どもたちにとっても豊かな人生を示していけることにつながっていきます。子どもたちの憧れの方向性をどんどん広げていけるように、本荘幼稚園の職員たちは、これからもみんなで頑張ります。

さて、「You raise me up 」の意味ですが、旧約聖書の詩編41章に「Lord, raise me up」という一節があります。「主よ、私を起き上がらせててください。」と、日本語では訳されます。この曲の歌詞の中には、聖書に由来するところが沢山あります。欧米の芸術のベースになるキリスト教の教えや文化は、ポピュラー音楽の世界でも当たり前なんですね。ちなみに「Let it be 」は、「お言葉通り、この身になりますように(マリアの言葉。生誕劇で聞きますね。)という意味です。このような曲は他にも沢山ありますので、洋楽を聴かれるときには、ぜひ、歌詞に注目してみてください。