ありのままに
園長 松橋 郁子
先日、幼児教育で大変素晴らしい実践をなさっている、愛媛県のむぎの穂保育園園長の出原大先生をお呼びし、園内研修をもちました。幼稚園で私達が何を大切にして保育をするのべきかを考えさせられました。
「子どもをありのままに受入れているか?」
…いかがでしょう。本荘幼稚園はそのように子どもたちを受入れている幼稚園なのか…。先生方は一人一人を認めてどんな子にも愛を与えているだろうか…。など、たくさん考えさせられました。
昔、自分の受け持った中学生に次のように聞いたことがあります。「『勉強もとても頑張り、大変真面目で、部活動に励んで成績を収め、何でもそつなくこなす、クールで何でもできる人』と、『ちょっとどこか抜けていて、勉強もあまり好きではなく、ゲームやマンガに熱中し、でもニコニコしていて周りをほっとさせる人』と、どっちを友だちにしたい?」と聞いたことがあります。皆さんはどちらとお友だちになりたいですか?私は後者です。中学生も全員そのように答えました。一緒にいて、自分の失敗を許してくれそうだからです。ドジな私を受容して「そんなこと、気にしなくていいよ。」と、優しく包んでくれそうです。なぜなら、自分はずるくて弱い人間であり、許して欲しいからです。
私達は誰でも失敗します。また、外からは容赦なく困りごとがやってきます。そんなピンチの時に手を差し伸べてくれたり、温かく見守ってくれる人に、どれだけ嬉しく思うでしょう。
イエスさまは、「罪人」と呼ばれる人達と共にありました。世の中から疎まれていた人達、例えば、病人や税金をとりたてる人、社会的に忌み嫌われていた人達です。当時の学者や宗教者からは、イエスさまは「罪人の仲間」と呼ばれていました。私達は失敗もするし、やってはいけないこともやってしまいます。誰もが罪人です。しかし、「このような私だけれど、イエスさまはありのままの私を受入れ、手を差し伸べて友だちになってくれる!」のです。私達本荘幼稚園にはこんなイエスさまがついていてくださいます。イエスさまに倣い、よいところも難しいところも全て、ありのままに子どもたちを受入れ、神さまが子どもたちに与えた力を自ら使い、世の中を幸せにしていこうとする素地を養っていきたいと、保育者全員で気持ちを新たにしました。
私達保育者も人間ですので、失敗が多いのです。そんな時は、どうぞ保護者の方が私達におっしゃってください。子どもたちのために幼稚園とご家庭で手を携えて協力しあっていきましょう。
今日も元気に楽しく遊ぶ声が聞こえてきます。大人が考えないような楽しいことを思いつくでしょう。たまには、失敗もするでしょう。2学期、子どもたちの成長を見守ってまいります。